最近、NVIDIA GeForce RTX 5090シリーズのグラフィックスカードが、Redditのユーザーによって報告されたAsus ROG Astral RTX 5090での火災事件を通じて、新たな論争に巻き込まれました。普段の使用中に突如火災が発生し、グラフィックスカードとマザーボードにダメージを与えました。$2,800を超える価格のこのハイエンドグラフィックスカードは、NVIDIAの推奨小売価格$2,000を大幅に上回っています。

ユーザーによると、ゲームを終了しコンピュータが予期せぬシャットダウンをした後でウェブブラウジングを開始した際に問題が発生したとのことです。再起動したところ、グラフィックスカードから煙が発生し、その後発火したといいます。調査の結果、PCIeコネクタ付近のプリント回路基板にひどい焦げ跡があり、マザーボードのチップセットヒートシンクにも焼け跡が見つかりました。初期の分析では、多層セラミックコンデンサ（MLCC）が火災の原因として考えられました。通常ならMLCCは電圧の安定化に寄与しますが、この場合はコンポーネントが過熱して破裂したとみられ、明らかに焦げた跡を残しました。専門家は、製造上の欠陥や電圧スパイク、材料の品質などを疑っています。MLCCは従来の電解コンデンサと比較し爆発する可能性は低いですが、極端な熱条件の下では故障することがあります。

これはRTX 5090シリーズでの最初の報告ではなく、12ピンの電源コネクタ（12V HPWR/12V—2x 6）の溶融が含まれる以前の事件があります。NVIDIAは新しいコネクタ設計で過熱リスクを解決したと主張していますが、消費者は慎重です。このケースでは、ASUS ROG Astralの火災は電源コネクタとは無関係のようで、ユーザーが無傷なコネクタとケーブルを提供しました。グラフィックカードの内部設計やコンポーネント選択の潜在的な欠陥を示唆しています。ASUSのフラッグシップシリーズであるROG Astralは、クワッドファン冷却システム、強化金属フレーム、80アンペア MOS FET 電源など高性能で信頼性が高いとされていますが、今回の事件によって特定のリスクが表面化しました。

NVIDIAの最新Blackwellアーキテクチャに基づき設計されたRTX 5090は、32GBのGDDR7メモリと512ビットのメモリバスを搭載し、RTX 4090よりも575W—125W高い公称消費電力を備えています。ASUSは液体窒素（LN2）冷却を用いて3.5 GHzのコア周波数と34 Gbpsのメモリ速度にオーバークロックし、いくつかのベンチマーク記録を更新しました。しかし、高消費電力と高負荷の組み合わせはコンポーネントの安定性を要求します。業界内の情報筋は、不適切なMLCCの品質や放熱不良、電圧変動に対処するための回路設計の欠陥がこのような問題につながる可能性があると警告しています。

事件後、有名なハードウェアレビューサイト「Gamers Nexus」は、詳細な調査のために損傷したグラフィックスカードを買い取ることを申し出、ユーザーにコンタクトを取りました。この事件がROG Astralカードで初めて火災をもたらした報告ですが、コネクタの溶融や黒画面、他の障害事例と組み合わさり、RTX 5090の品質管理が再び注目されています。

ASUS ROG Astralは、厚さ3.8スロット、長さ358mmで、洗練された冷却ソリューションを備えた特徴的なモデルです。公式データによると、蒸気チャンバー冷却技術と相変化サーマルパッドは冷却効率を30%向上させ、理論上は高温にも効率的に対応可能だとされています。しかし、冷却設計だけではコンポーネントの欠陥を補うことができないことを示しました。ASUSはROG Astral LC RTX 5090の液体冷却版の発売を予定していますが、市場投入の目処はまだ立っていません。

現在、NVIDIAとASUSはこの問題について公式な声明を発表していません。一方で、RTX 50シリーズの市場投入が進行する中、サプライチェーンの情報によるとRTX 5090の在庫は不足しており、一部の小売業者はRTX 5080を個別で販売する道を選んでいます。このような状況下では、こうした品質問題がまさに最新のフラッグシップグラフィックスカードの評価に影を落としています。その一方で、AMDの新しいRadeon RX 9070シリーズが費用対効果を重視し、わずか649ドルからEコマースプラットフォームで登場し、市場の注目を集めています。