インテルは、次世代プロセッサの開発において、コードネーム「グリフィンコーブ」と呼ばれる新しいアーキテクチャの探求を進めています。インテルのコア設計担当シニアプリンシパルエンジニア、オリ·レンペル氏は、クーガーコーブアーキテクチャの完成に続いて、グリフィンコーブの開発が開始されたと語っています。これは、ライオンコーブを基盤とするレイザーレイクプロセッサの3世代進化したものであり、インテルの未来の製品戦略を顕著に示しています。

パンサーレイク：2025年の重要なステップ インテルは、グリフィンコーブの開発に先立ち、クーガーコーブアーキテクチャを完成させ、パンサーレイクとして2025年後半に市場投入を計画しています。パンサーレイクは、Core Ultra 300シリーズの中核を形成し、特にモバイル向けに設計されています。さらに、18Aプロセスを採用し、各種コアと第5世代ニューラルプロセッシングユニットを組み込み、AI機能およびエネルギー効率の向上を図っています。

John Pitzer氏によると、パンサーレイクの開発進捗は順調で、収益率も過去のメテオレイクプロセッサを上回っています。また、AIDA64の最新バージョンも、パンサーレイクのサポートを拡充しています。このプロセッサは、様々な構成で提供され、一部のモデルには大型コアがTSMCのN3Eプロセス、小型コアがインテルのプロセスで作られています。

しかし、量産は2026年第1四半期に延期される予定です。インテルは戦略パートナーに限られた数のチップを提供し、AI PC開発イニシアチブを支援する計画です。これは過去のメタオールレイクおよびルナレイクのパターンを踏襲しています。

グリフィンコーブ：フルパフォーマンスコアへの挑戦 グリフィンコーブはクーガーコーブの後継として、2026年または2027年にデビューする予定のレイザーレイクプロセッサに採用されます。業界では、インテルがレイザーレイクのためにフルパフォーマンスコアの設計を採用するのではないかと注目されています。これにより、AMDなどの競合に対抗する姿勢が鮮明になります。

仕様は未公表ですが、インテルのCPU設計チームが描く「プロセスノードに依存しない」柔軟な設計哲学は、グリフィンコーブにも適用されています。これは、インテルの14Aプロセスの採用、またはTSMCとのコラボレーションを通じて性能や生産効率の最適化を図るものです。

デュアルソース戦略とプロセス選択の変革 インテルは、従来のプロセス依存型から脱却し、より柔軟な生産体制を取るというデュアルソース戦略を推進しています。これはパンサーレイクでのTSMCのコア製造と、インテルの18Aプロセスの併用に表れています。

インテル製品部門CEOのMichelle Johnston Holthaus氏も、競争力向上のために外部ファウンドリとの連携を強調しています。グリフィンコーブを含む将来のアーキテクチャでは、より進化したプロセスの採用も予定されており、高性能プロセッサ市場でさらなる地位を確立するための鍵となっています。

インテルの挑戦: 前進と進化の旅 近年、インテルはCPU市場において厳しい競争に直面してきましたが、パンサーレイクやグリフィンコーブの開発を通じて復活への道を示しています。新たなプロセッサはAI性能を飛躍的に向上させ、また新たなプロセス採用によって競争力を増しています。

2026年には、ノヴァレイクプロセッサの発表も予定されており、インテルは再びプロセッサ市場における主導的地位を目指し、広範なプロセス選択肢と革新性を武器にしています。